- 2026年7月13日
過敏性腸症候群(IBS)とは?症状・原因・診断と治療を消化器内視鏡医が解説
「通勤電車に乗るとお腹が痛くなる」「大事な会議の前に必ずトイレに駆け込む」—そんな症状が続いていませんか。
検査をしても異常がないのに、お腹の不調だけが続く。それは過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。
過敏性腸症候群(IBS)とはどんな病気か
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)は、腸に明らかな炎症や腫瘍といった異常がないにもかかわらず、腹痛・下痢・便秘などの症状が繰り返し起こる「機能性消化管疾患」です。
日本人の約10〜15%が悩まされているとされ、特に20〜40代の働く世代に多く見られます。 命に関わる病気ではないものの、通勤・通学・仕事中に症状が出るため、生活の質を大きく下げる病気です。
「気のせい」「ストレスのせい」と片付けられがちですが、医学的にきちんと定義された疾患であり、適切な診断と治療が必要です。
過敏性腸症候群(IBS)の代表的な症状を内視鏡専門医が解説
過敏性腸症候群の症状は、人によって出方が大きく異なります。 症状のパターンによって、以下の4タイプに分類されます。
1. 下痢型(IBS-D)
突然の腹痛とともに、水のような下痢を繰り返すタイプです。 通勤中や食事中、ストレスのかかる場面で起こりやすく、男性に多い傾向があります。
2. 便秘型(IBS-C)
便が硬く、コロコロした便しか出ない状態が続きます。 排便後もスッキリせず、腹痛や張りをともなうのが特徴です。女性に多く見られます。
3. 混合型(IBS-M)
下痢と便秘を数日ごとに繰り返すタイプです。 便の状態が安定せず、症状の予測がつきにくいため、日常生活への影響が大きくなります。
4. 分類不能型(IBS-U)
上記のいずれにも当てはまらないタイプで、腹痛・腹部不快感が中心の症状です。
これらに加えて、お腹の張り・ガスの多さ・残便感・粘液の混じった便といった症状をともなうことも多く見られます。
木長院長のコメント
「過敏性腸症候群は、検査では異常が見つからないため『気のせい』と思い込まれている方が多くいらっしゃいます。しかし、症状が長く続くと生活の質に大きく影響します。また、似た症状でも実は大腸がんや潰瘍性大腸炎が隠れていることもあるため、まずは内視鏡検査で他の病気がないか確認することが大切です。」
過敏性腸症候群(IBS)が起こる主な原因
過敏性腸症候群の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。
1. 腸の運動異常
腸の動きが過剰になったり、逆に鈍くなったりすることで、下痢や便秘が起こります。
2. 内臓知覚過敏
通常では感じない程度の腸の伸展や収縮を「痛み」として強く感じてしまう状態です。
3. ストレス・自律神経の乱れ
脳と腸は「脳腸相関」と呼ばれる密接な関係にあります。 ストレスや緊張、不安が自律神経を介して腸に直接影響します。
4. 食事内容
脂っこい食事、香辛料、カフェイン、アルコール、特定の発酵性糖質(FODMAP)などが症状の引き金になることがあります。
5. 腸内細菌のバランス
腸内フローラの乱れが、症状の発現に関与していることも近年の研究でわかってきています。
6. 感染性腸炎の既往
急性胃腸炎の後にIBSを発症する「感染後IBS」というタイプも存在します。
過敏性腸症候群(IBS)はどう診断するのか
過敏性腸症候群の診断は、「他の病気ではないこと」を確認することから始まります。 症状だけでは大腸がん・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)・甲状腺疾患などと見分けがつかないためです。
問診(ローマⅣ基準)
腹痛が3か月以上前から繰り返し起こり、排便と関連しているかどうかを確認します。
血液検査
炎症反応、貧血、甲状腺機能などをチェックし、他の疾患を除外します。
便潜血検査
便に血液が混じっていないかを調べ、大腸がんなどの可能性を確認します。
大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)
大腸全体を直接観察し、ポリープ・がん・炎症性腸疾患などがないかを確認する、最も確実な検査です。 特に40歳以上の方、便に血が混じる方、体重減少をともなう方は、必ず受けることが推奨されます。
こんな症状があれば必ず病院へ。受診を急ぐべきサイン
以下の症状をともなう場合、過敏性腸症候群ではなく重大な疾患が隠れている可能性があります。 早めに消化器内科を受診してください。
- 便に血が混じっている、または黒い便が出る
- 急激な体重減少がある
- 50歳以降に初めて症状が出た
- 夜中に腹痛で目が覚める
- 発熱をともなう
- 家族に大腸がんの方がいる
- 貧血がある
これらの症状は「警告症状」と呼ばれ、大腸がんや炎症性腸疾患の可能性を考慮する必要があります。
過敏性腸症候群(IBS)の治療法
過敏性腸症候群の治療は、症状のタイプや生活背景に合わせて組み合わせて行います。
1. 生活習慣の改善
規則正しい食事、十分な睡眠、適度な運動が基本となります。 朝食を抜かない、ゆっくり噛んで食べるといった日常の習慣が大切です。
2. 食事療法
症状を悪化させる食品を把握し、避けるようにします。 脂質・カフェイン・アルコールの過剰摂取を控え、必要に応じて低FODMAP食を試すこともあります。
3. 薬物療法
症状のタイプに応じて以下のような薬を使い分けます。
- 整腸剤(腸内環境を整える)
- 消化管運動調整薬(腸の動きを整える)
- 下痢型に対する薬(セロトニン受容体拮抗薬など)
- 便秘型に対する薬(粘膜上皮機能変容薬など)
- 腹痛に対する薬(鎮痙薬)
4. ストレスマネジメント
仕事や生活でのストレスへの対処も重要です。 必要に応じて、心療内科との連携も検討します。
きなが内科・内視鏡クリニックで受けられる過敏性腸症候群(IBS)の診察
きなが内科・内視鏡クリニックは、神戸市灘区水道筋・王子公園駅から徒歩3分の医療ビル3階にある、内視鏡検査に力を入れたクリニックです。
経験豊富な内視鏡専門医による診察
院長の木長健医師は、約25年間にわたり内科医・内視鏡医として勤務し、経鼻内視鏡検査10,000症例以上の経験を持ちます。 過敏性腸症候群と他の消化器疾患を見分けるための丁寧な診察を行っています。
AI内視鏡システム導入による精度の高い大腸カメラ検査
最新のAI内視鏡システムを導入しており、病変の見逃しを防ぐダブルチェック体制で検査を実施しています。 過敏性腸症候群の診断には、まず他の疾患の除外が不可欠です。
鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査
胃カメラ・大腸カメラともに、ご希望に応じて鎮静剤を使用し、寝ている間に検査を受けていただけます。 「検査が怖い」という方も安心して受けられる環境を整えています。
トイレ付き完全個室の前処置室
大腸カメラ検査の前処置は、トイレ付きの完全個室で行えます。 他の方に気を遣うことなく、リラックスして検査前の準備ができます。
大腸ポリープの日帰り切除に対応
検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除可能です。 再検査の負担を減らせます。
産業医経験を活かした生活指導
院長は日本医師会認定産業医として、多くの働く世代の健康相談を担ってきました。 仕事や生活背景を踏まえた、現実的で続けやすい生活改善のアドバイスを行います。
王子公園駅から徒歩3分のアクセス
阪急神戸線「王子公園駅」東口から徒歩3分。 平日は火・木を除き18:30まで、土曜も12:00まで診療しており、お仕事帰り・お休みの日にも通いやすい立地です。
まとめ:繰り返すお腹の不調は内視鏡専門医にご相談を
過敏性腸症候群(IBS)は、生活の質を大きく下げる病気でありながら、適切な診断と治療で症状をコントロールできる疾患です。 「気のせい」「ストレスのせい」と諦める前に、まずは他の病気がないかを確認することが第一歩となります。
きなが内科・内視鏡クリニックでは、AI内視鏡システムと経験豊富な内視鏡専門医による精度の高い検査で、過敏性腸症候群と紛らわしい疾患を見極めます。 お腹の不調でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
ご予約・お問い合わせ
きなが内科・内視鏡クリニック
〒657-0028 神戸市灘区水道筋6丁目3-1 アイメディカルビル3階
阪急神戸線「王子公園駅」東口より徒歩3分
診療時間
月・水・金 9:00〜12:00/15:00〜18:30
火・土 9:00〜12:00(AMのみ)
休診日:木曜・日曜・祝日
胃カメラ・大腸カメラのご予約、症状のご相談はWEB予約またはお電話にて承ります。
監修医師
木長 健(きなが つよし)
きなが内科・内視鏡クリニック 院長
約25年間、内科医・内視鏡医として病院や労働衛生機関に勤務し、また多くの事業所で嘱託産業医を務めてきました。内視鏡では正確な診断と苦痛の少ない検査に注力し、内視鏡AIも活用してさらなる精度向上に努めています。健診や生活習慣病についても患者様と一緒に考えながら、何でも気軽にご相談いただけるクリニックを目指してまいります。
略歴
- 2000年産業医科大学医学部医学科 卒業
- 2009年医療法人社団神鋼会(健診センター 医長)
- 2020年社会医療法人神鋼記念会(総合健康管理センター 担当部長)
- 2021年一般財団法人淳風会(健康管理センター 上部消化管内視鏡担当医長)
- 2024年きなが内科・内視鏡クリニック 院長
所属学会・資格
- 日本消化器内視鏡学会 上部消化管内視鏡・大腸内視鏡スクリーニング認定医
- 日本総合健診医学会 日本人間ドック・予防医療学会認定 人間ドック健診専門医・指導医
- COH労働衛生コンサルタント
- 日本医師会認定産業医