- 2025年3月19日
大腸カメラ(下部内視鏡)検査のメリット・デメリット
大腸カメラ(下部内視鏡)検査のメリット・デメリット

大腸カメラ(下部内視鏡)検査は、大腸の健康状態を詳細に確認できる検査として広く行われています。特に、大腸がんの早期発見やポリープの切除が可能であり、定期的に受けることが推奨されています。しかし、一方で「つらい」「痛い」というイメージがあり、検査をためらう方も少なくありません。
今回は、大腸カメラ検査のメリットとデメリットについて詳しく解説します。検査を受けるべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
大腸カメラ(下部内視鏡)検査とは?

大腸カメラ検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸内部を観察する検査です。カメラを搭載した細いスコープを使い、大腸の粘膜を直接観察し、病変の有無を調べます。疑わしい部分が見つかった場合、組織を採取(生検)し、必要に応じてポリープを切除することもできます。
大腸カメラ検査のメリット
1. 大腸がんの早期発見が可能
大腸がんは早期に発見すれば治療の選択肢が広がり、治る確率も高くなります。大腸カメラ検査では、ポリープや腫瘍を直接観察できるため、病変を早期に見つけることができます。
2. ポリープの切除ができる
大腸がんの多くは、ポリープ(腺腫)から発生します。大腸カメラ検査中に発見されたポリープは、その場で切除することが可能です。これにより、大腸がんの予防にもつながります。
3. 便潜血検査よりも精度が高い
大腸がんのスクリーニングには便潜血検査もありますが、便潜血検査はあくまで血が混じっているかどうかを調べるものです。一方、大腸カメラ検査は直接粘膜を観察するため、小さな病変も見逃しにくく、より精度の高い検査が可能です。
4. 原因不明の症状の診断ができる
便秘や下痢、腹痛、血便などの症状がある場合、大腸カメラ検査を行うことで、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)や憩室炎、大腸ポリープなどの病気を特定することができます。
5. 鎮静剤の使用で苦痛を軽減できる
「大腸カメラは痛い」というイメージがありますが、鎮静剤を使用することで、検査中の不快感を大幅に軽減できます。ウトウトとした状態で検査を受けることができるため、以前よりも楽に受けられるようになっています。
鎮静剤の使用について

検査中の不快感や痛みを軽減するために、鎮静剤を使用した内視鏡検査も実施しております。鎮静剤を用いることで、リラックスした状態で検査を受けていたくことができます。ここで鎮静剤の使用についてもメリットとデメリットをご説明いたします。
鎮静剤を使用するメリット
- 痛みの軽減: 鎮静剤を使用することで、検査中の痛みや違和感を大幅に軽減できます。
- 不安や恐怖心の軽減: 検査に対する不安を和らげ、リラックスした状態で受けることができます。
- 検査の精度向上: 患者がリラックスした状態になることで、医師がより正確に検査を行うことができます。
- 検査時間が短縮される場合がある: 緊張で腸が動くのを抑えられるため、スムーズに検査を進めやすくなります。
鎮静剤を使用するデメリット
- 検査後の休憩が必要: 鎮静剤が効いている間は意識がぼんやりするため、検査後に1時間程度休む必要があります。
- 当日の運転や仕事に制限がある: 鎮静剤の影響で集中力が低下するため、検査後は車の運転や重要な業務は避ける必要があります。
- 副作用のリスク: 血圧低下や呼吸抑制などの副作用がまれに発生することがあります。
- 人によって効きにくい場合がある: 鎮静剤の効果には個人差があり、完全にリラックスできないこともあります。
大腸カメラ検査のデメリット
1. 事前の準備(下剤の服用)が必要
大腸カメラ検査を受けるためには、腸内を空にする必要があります。そのため、検査前日に食事制限を行い、当日は約2Lの下剤を飲んで腸内を洗浄する必要があります。この過程が「つらい」と感じる方が多いです。
2. 検査後の制限がある(鎮静剤使用時)
鎮静剤を使用した場合、検査後もしばらくは眠気が残るため、当日の車の運転や仕事は控える必要があります。また、一人での帰宅は避け、できるだけ付き添いをお願いすることが推奨されます。
3. まれに合併症が起こることがある
大腸カメラ検査は比較的安全な検査ですが、以下のようなリスクも伴います。
- 腸管穿孔(まれに腸に穴が開く)
- 出血(ポリープ切除後に起こることがある)
- 一時的な腹部膨満感や腹痛
特に高齢者や持病のある方は、医師と相談の上、検査の必要性を慎重に判断することが重要です。
4. 検査費用がかかる
大腸カメラ検査は、健康保険が適用される場合でも数千円〜1万円程度の自己負担が発生します。ポリープ切除や生検を行った場合、さらに費用がかかることがあります。
大腸カメラ検査は、大腸がんの早期発見や予防に非常に有効な検査です。一方で、下剤の服用や検査後の制限、まれに合併症のリスクがあるため、事前に十分な情報を得ておくことが大切です。
「検査がつらそう…」とためらっている方も、鎮静剤の使用や下剤の工夫などで負担を軽減できる可能性があります。気になる症状がある場合や、40歳を過ぎたら一度医師と相談し、適切なタイミングで検査を受けることをおすすめします。
健康な大腸を維持するために、定期的な検査を心がけましょう!