- 2025年2月12日
- 2025年2月13日
下痢
下痢の原因とは

下痢は、水分を多く含む便が頻繁に排出される状態を指します。急性のものから慢性のものまで様々で、その原因や症状は多岐にわたります。適切な対処をするためには、原因を把握し、適切な治療や生活改善を行うことが重要です。
急性下痢
数日から1週間以内で収まることが多く、ウイルス性胃腸炎や食中毒が原因である場合が一般的です。
慢性下痢
3週間以上続き、炎症性腸疾患や過敏性腸症候群など、基礎疾患が関与していることが多いです。
ストレスによる下痢
ストレスは腸の蠕動運動を過剰に刺激し、下痢の原因になることがあります。自律神経が乱れることで腸の運動が早まり、便が十分に吸収されないまま排泄されるためです。これらは過敏性腸症候群(IBS)に関連している場合があります。
食中毒による下痢
食中毒は、細菌やウイルス、寄生虫が原因で引き起こされる急性の下痢の一つです。腹痛や吐き気、発熱を伴うことが多く、生肉や生魚、加工食品の摂取後に発症するケースが多く見られます。
下痢の症状と受診の目安
水っぽい便の特徴


下痢便が水っぽくなるのは、腸での水分吸収が不十分なためです。これにより、体内の水分や電解質が失われるため、脱水症状のリスクが高まります。
腹痛を伴う下痢の原因

腹痛を伴う下痢は、腸管の炎症や感染症、またはストレスが原因である場合が多いです。痛みが右下腹部に集中している場合は虫垂炎の可能性も考えられるため、早めの受診が必要です。
便秘との関連性

便秘と下痢が交互に起こる場合、過敏性腸症候群(IBS)が疑われます。また、腸閉塞の初期段階では便秘と下痢が同時に見られることがあります。
下痢の評価と診断
以下の症状がある場合は医療機関を受診することを検討してください。
□血便や黒い便が出る。
□発熱を伴う。
□1週間以上下痢が続く。
□くちの渇き、めまい、倦怠感などを伴う強い脱水症状がある。
下痢を早く治す方法
自宅での対処法
軽度の下痢の場合は、安静を保ち、消化に優しい食品(お粥、スープ)を摂取することで自然に回復することが多いです。水分補給をこまめに行い、脱水を予防します。
病院での治療と検査
病院では、抗生物質や整腸薬、制酸薬などが症状に応じて処方されます。慢性下痢の場合は、大腸内視鏡検査などを通じて基礎疾患の有無を確認します。
食べ物の工夫と必要な水分補給
食事では、脂肪分や刺激物を控え、炭水化物やタンパク質をバランスよく摂取することが重要です。脱水対策として、経口補水液やスポーツドリンクを活用します。
慢性下痢の対策と注意点
過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBS)は、下痢と便秘が交互に現れる特徴があります。ストレス管理や低FODMAP食が症状改善に有効です。
炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が原因の場合、症状が長期間続きます。これらは適切な治療が必要で、早期診断が症状の進行を防ぎます。
大腸がんの検査と評価

慢性的な下痢や血便は、大腸がんの初期症状である可能性があります。大腸カメラ(下部内視鏡検査)による早期発見が重要です。
下痢と日常生活の注意点
下痢は日常生活に大きな影響を与える可能性がありますが、以下のポイントを意識することで症状の改善や予防が期待できます。
健康的な生活習慣

- 規則正しい食生活と睡眠:腸の健康を保つ基本です。
- 水分補給:こまめに水を摂取し、便秘や脱水を予防しましょう。
- 適度な運動:腸の蠕動運動を促進し、下痢や便秘の改善に効果的です。ただし、過度な運動は控えましょう。
- ストレス管理:瞑想やヨガなどのリラックス法で自律神経のバランスを整えましょう。
食事のポイント

- 消化に良い食品:お粥、バナナ、白身魚、じゃがいもなど、胃腸に優しい食事を心がけましょう。
- 避けるべき食品:脂肪分の多い食品、カフェイン、アルコール、辛い食べ物は腸を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。
- 少量頻回食:一度に大量に食べるのではなく、少しずつ頻繁に摂取して腸の負担を軽減しましょう。
脱水症状への対策

- 初期兆候を見逃さない:喉の渇き、口の乾き、倦怠感、めまいは脱水のサインです。進行すると意識障害や尿量減少が起こることも。
- 電解質補給:経口補水液(ORS)など電解質を含む飲料を摂取しましょう。
- 水分摂取の工夫:常温の水や経口補水液をこまめに摂り、1日1.5〜2リットルを目標にしましょう。糖分が多い飲料は控えます。
下痢は単なる一時的な症状である場合もありますが、慢性疾患のサインである可能性も。日常生活でこれらの注意点を心がけることで腸の健康を維持し、必要に応じて医療機関での診察を受けましょう。