- 2025年11月29日
【警告】インフルエンザが「爆発的」流行中!新変異株「サブクレードK」の脅威と今すぐ取るべき対策

全国的にインフルエンザが猛威を振るい、定点あたりの報告数が警報基準の30人を大きく超える状況が続いています。地域によっては、昨シーズンよりも1カ月以上早く警報が発令されるなど、「爆発的」な広がりを見せています。
なぜ、今年のインフルエンザはこれほどまでに勢いがあるのでしょうか。最新の流行傾向と、皆様にぜひ知っていただきたい予防のポイントをお伝えいたします。
1.流行を牽引する変異株「サブクレードK」の存在

今年の爆発的な流行の最大の背景にあるのは、H3型の変異株「サブクレードK」です。 国立健康危機管理研究機構の解析によると、このH3型の新しい亜型が、最近の感染者の約9割を占めているとされています。
専門家によると、この新しい変異株に対して多くの人が免疫を持っていないため、感染が広がりやすい状況が生まれています。また、インバウンドなど海外との行き来が盛んになっていることも、流行が起きやすくなっている一因と考えられます。
2.ワクチンの効果と重症化リスク

変異株の流行によりワクチンの効果が懸念されていますが、ワクチンは依然として重要な防御手段です。
- ワクチンの意義:従来の流行株よりも効きが悪いとの報告がある一方、乳幼児や高齢者の入院(率)を下げる効果が報告されており、一定の打つ意義があるとされています。
- 接種のタイミング:インフルエンザの流行は通常12月〜翌年3月頃にピークを迎えるため、抗体が十分に作られるまでの約2週間を考慮し、流行前の10月〜11月中旬までに接種することが理想です。
- 重症化リスクの高い方:高齢者や小児、基礎疾患を持つ方は特にインフルエンザで重症化しやすいため、早めのワクチン接種が推奨されています。高齢者の場合、インフルエンザをきっかけに他の感染症が合併して重症化する(二次感染)リスクにも注意が必要です。
3.コロナとインフルエンザ、症状の見分け方と最新の診断

インフルエンザの主な症状は、高熱(38℃以上)、筋肉痛、強い倦怠感、咳、のどの痛み、関節痛などで、これは新型コロナウイルスとの見分けがつきにくいという課題があります。 特に、新型コロナウイルスの新変異株「ニンバス」は、「カミソリを飲み込んだような激しい喉の痛み」が高熱、頭痛、倦怠感などと共に出るのが特徴とされており、症状が出た際に自己判断するのは非常に危険です。
AI搭載の新しい診断機器「nodoca」

当院では、インフルエンザ診断における患者様の負担を軽減するため、AI搭載の新しい医療機器「nodoca(ノドカ)」を導入しています。 nodocaは、咽頭画像や体温、自覚症状をAIが解析することでインフルエンザの特徴的な所見を検出し、痛みが少なく、短時間(数秒〜十数秒)で結果が得られるという特長があります。これにより、特に発熱後12時間以内の感染初期の診断に役立ち、患者様の負担を大幅に減らすことができます。
4.あなたは大丈夫?インフルエンザにかかりやすい5つの傾向
最新の研究では、インフルエンザにかかりやすい人の傾向が明らかになっています。弘前大学などの研究グループが約1000人のデータをAIで解析した結果、以下の5つのタイプが特定されました。
| ・花粉症などアレルギーのある人 ・食事のバランスが偏っていて栄養不良の人 ・仕事や生活などで多忙で睡眠不足の人 ・血糖値が高めの人 ・肺炎になったことがある人 |
これらの傾向に心当たりのある方は、特に予防意識を高めることが重要です。
- 徹底すべき予防と感染対策

感染拡大を防ぐためには、日々の基本的な対策が最も重要です。
- 手洗いを徹底する:ウイルスが付着した手で口や目の粘膜を触ることで感染するため、石けんと流水によるこまめな手洗いが最も大事です。
- マスクの着用と咳エチケット:マスクは飛沫感染を防ぎ、また無意識に顔を触るのを防ぐ効果もあります。咳やくしゃみをする際は、マスクや肘で口を覆いましょう。
- 家庭内対策:家庭内での感染防止は難しいですが、感染対策として、家庭内でもマスクを着用し、タオルを共有しないこと。また、トイレのあとや入浴後には換気を行うことも感染拡大を防ぐのに有効です。
- 免疫力の維持:十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動といった健康維持のための生活習慣も免疫力の向上に寄与します。
もし発熱や体調不良を感じた場合は、自己判断せず、速やかに医療機関にご相談ください。早期に抗ウイルス薬を服用するためには、症状が出てから48時間以内に受診することが効果的です。
6.当院でのインフルエンザワクチン接種のご案内

きなが内科・内視鏡クリニックでは、地域の皆様に安心して接種いただけるよう、2種類のインフルエンザワクチン接種を実施しています。流行が拡大している今こそ、早めの接種をご検討ください。
A)注射によるワクチン(2025年度秋冬シーズン価格)
- 接種料金(2024-2025年シーズンの価格)は、一般の方が2,500円です。
- 神戸市在住の高齢者(65歳以上等)の方は、神戸市からの助成により1,500円(条件により無料の場合あり)となります。
- 神戸市在住の小児(1~12歳)の方も神戸市からの助成が適用され、500円で接種いただけます。
B)経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト) ※数量限定
注射が苦手なお子様などに向けて、鼻から噴霧するタイプのワクチンもご用意しております(接種回数1回)。
- 対象は2歳~18歳の方で、料金は7,000円です。
- このうち、神戸市在住の小児(2歳~12歳)の方は、一般ワクチン同様に2,000円の補助が適用されます。
ご予約と注意点
- 注射ワクチン、経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト)ともにWEB予約をご利用いただけます。
- ただし、神戸市の助成制度や補助制度を利用される方は、ウェブ問診を行わず、来院後に紙の問診票にご記入いただきますようお願いいたします。
きなが内科・内視鏡クリニック
電話:078-806-0568
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