• 2025年2月28日
  • 2025年3月19日

医師が教える重要な便の色(うんちの色)のチェックポイント

私たちの健康状態を示す指標の一つに「便の色(うんちの色)」があります。便の色(うんちの色)の変化は、消化器系の健康や全身の状態を反映する重要なサインです。しかし、多くの人は便の色(うんちの色)を気にすることが少なく、異常があっても見逃してしまうことがあります。今回は、医師が教える便の色(うんちの色)のチェックポイントについて詳しく解説し、健康を維持するための具体的な対策を紹介します。


便の色(うんちの色)が示す健康状態

便の色(うんちの色)は通常、黄褐色から茶色の範囲内で変化しますが、それ以外の色が続く場合は何らかの健康問題を示している可能性があります。

健康な便の色

  • 黄褐色~茶色:正常な便の色(うんちの色)であり、胆汁が適切に分泌されていることを示します。
  • やや緑がかった便:食生活の影響や腸内環境の変化によるものですが、一時的な場合は問題ありません。

異常な便の色(うんちの色)と考えられる原因

  • 黒い便:胃や腸の上部で出血がある可能性があります。胃潰瘍や胃がん、食道静脈瘤破裂などが考えられます。
  • 赤い便:大腸や肛門に出血がある可能性があります。痔や大腸ポリープ、大腸がんなどが疑われます。
  • 白い便:胆汁が分泌されずに便が無色になっている可能性があります。胆管閉塞や肝機能障害の可能性があります。
  • 黄色い便:脂肪の消化不良が考えられ、膵臓の機能低下が疑われます。
  • 緑色の便:腸内の消化スピードが速すぎる場合や、食事の影響が考えられます。

便の色(うんちの色)の変化が示す具体的な疾患

黒い便が続く場合の可能性

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:消化器官内で出血が起こり、酸化によって黒くなることがあります。
  • 胃がん・食道がん:消化器系のがんによる出血が考えられます。
  • 鉄剤の影響:鉄分を多く含むサプリメントや薬を服用していると、便が黒くなることがあります。

赤い便が続く場合の可能性

  • 痔・裂肛:肛門や直腸の出血が原因のことが多く、排便時の痛みを伴うこともあります。
  • 大腸ポリープ・大腸がん:進行した大腸の病気では、血が便に混じることがあります。
  • 感染性腸炎:細菌性腸炎などで腸の粘膜が炎症を起こし、出血することがあります。

白い便が続く場合の可能性

  • 胆管閉塞:胆汁が腸内に流れず、便が白くなることがあります。
  • 肝疾患(肝硬変・肝炎):肝機能の低下によって胆汁の生成が減少すると、便の色(うんちの色)が薄くなります。

黄色い便が続く場合の可能性

  • 脂肪吸収不良(膵臓疾患):膵臓の働きが低下し、脂肪が分解されにくくなることで便が黄色くなることがあります。
  • 過敏性腸症候群:腸の動きが異常に活発になると、脂肪の吸収がうまくいかず黄色っぽい便になることがあります。

便の色(うんちの色)をチェックする際のポイント

便の色(うんちの色)の変化に気付くためには、日常的な観察が重要です。特に以下のポイントに注意しましょう。

  • 便の色(うんちの色)が数日間続いているか確認する:一時的な変化なら問題ないことが多いですが、3日以上続く場合は注意が必要です。
  • 食生活との関連を考える:ビーツやブルーベリーを食べた後に赤い便が出ることがあります。食事の影響か病気かを見極めることが重要です。
  • 排便時の痛みや違和感をチェックする:痛みが伴う場合、痔や腸の異常が疑われます。
  • 便のにおいの変化を意識する:強烈な悪臭がある場合、消化不良や感染症の可能性があります。
  • 便の硬さや形状も確認する:硬すぎる便は便秘、柔らかすぎる便は消化不良や腸の異常を示唆します。

便の色(うんちの色)の変化が見られた場合の対応

便の色(うんちの色)に異常が見られた場合、早めに医療機関を受診することが重要です。特に以下の場合はすぐに病院へ行きましょう。

  • 黒い便や赤い便が数日間続く場合
  • 白い便が出た場合
  • 便の色(うんちの色)の変化に加えて、体調不良(発熱、体重減少、腹痛など)がある場合

便の色(うんちの色)は健康状態を知るための重要なサインです。例えば、黒い便は胃や腸の上部での出血を、赤い便は大腸や肛門での出血を示唆する可能性があります。また、白い便は胆汁の流れが悪いことを、黄色い便は脂肪の消化不良が疑われることを意味します。便の色(うんちの色)の変化が数日間続く場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。

さらに、食生活や体調の変化を記録することで、異常を早期に発見し健康管理に役立てることができます。便の色(うんちの色)は、自分の体の状態を把握するための大切なバロメーターであるため、日頃からその変化に注意を払い、健康管理に努めましょう。

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