- 2025年1月25日
- 2025年1月28日
便潜血陽性
便潜血とは

便潜血とは、肉眼では確認できない便中の微量な血液を指します。便潜血検査では、出血量がわずかでも検出することができます。便潜血陽性とは、便中に微量の血液が検出された状態のことで、大腸がんやポリープの早期発見に役立つ重要なスクリーニング検査です。この検査は、無症状の段階で病気を発見する可能性を高めます。もし陽性反応が出た場合は、速やかに精密検査を受けることが必要です。
便潜血陽性の原因は、消化管内の粘膜が傷ついて出血することです。大腸がんやポリープでは腫瘍が成長して血管を破壊し、出血を起こすことがあります。また、潰瘍や炎症がある場合も血便が発生する可能性があります。
便潜血検査の方法

便潜血検査は、主に「免疫法」が採用されており、便中のヒトヘモグロビン(人間の血液成分)を検出します。専用のキットを使って採取した便を提出し、微量な血液の有無を確認します。食事制限が必要ないため、手軽に受けられる検査です。
便潜血陽性が示す疾患
便潜血陽性は、大腸や消化管からの出血を示唆しており、以下の疾患が考えられます。
大腸がんとの関連

便潜血検査は、大腸がんの早期発見において非常に重要です。初期の大腸がんはほとんど無症状ですが、腫瘍から微量な出血が起きることがあり、便潜血検査で異常を検出できます。
ポリープの可能性

大腸ポリープは、大腸内の粘膜にできる良性の腫瘍ですが、放置すると大腸がんに進行することがあります。ポリープが成長する過程で出血を伴うことがあり、便潜血陽性として検出されることがあります。
その他の関係する病気

便潜血陽性は、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、痔核、感染性腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などでも見られます。いずれの場合も、適切な診断と治療が必要です。
便潜血陽性の症状
血便の見つけ方
血便は目視で確認できることもありますが、便潜血検査では微量な血液も検出できます。便の色が赤い場合は下部消化管の出血、黒い場合は上部消化管の出血が疑われます。
腹痛や下痢
便潜血陽性とともに腹痛や下痢、便秘などがある場合、炎症性腸疾患や腫瘍の可能性があります。症状が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
無症状でも内視鏡検査が必要
便潜血陽性の多くは無症状であり、症状が出る頃には病気が進行している場合があります。無症状だからといって安心せず、精密検査を受けることが大切です。
便潜血が陽性と診断された場合には
女性特有のリスク要因
女性は、痔や生理による出血が原因で陽性反応が出ることもあります。しかし、安易に判断せず、精密検査を受けて正確な原因を特定することが重要です。
男性特有のリスク要因
男性は、生活習慣病や大腸がんのリスクが高いため、便潜血陽性が出た場合は精密検査を必ず受けるべきです。特に40歳以上の男性はリスクが高まります。
便潜血陽性の段階で疾患を発見することで、早期治療が可能になります。大腸がんは早期のうちに治療を行えば、治癒率が高いため、放置せずに検査を受けましょう。
便潜血検査の受診方法
検査の準備と手順

便潜血検査は自宅で便を採取し、医療機関に提出する方法が一般的です。採取時には清潔な状態で便を採り、検査キットに記録された手順通りに進めましょう。
検査結果の受け取り方

検査結果は数日で通知されます。陽性反応が出た場合は、次のステップとして大腸カメラ(下部内視鏡検査)などの精密検査が必要です。
陽性反応の確率と精度
便潜血検査の精度は非常に高いですが、偽陽性や偽陰性が出ることもあります。そのため、陽性反応が出た場合には、必ず精密検査を受けることが大切です。
便潜血検査は、目に見えない血液を検出することに特化していますが、出血が少ない場合や検査タイミングによっては見逃されることもあります。
陽性判定は便潜血検査を受けた人の約5~10%で出ます。陽性判定を受けて大腸内視鏡検査を受けた方の20~55%に前がん病変である腫瘍性の大腸ポリープが、1~7%に大腸がんが発見されています。が陽性判定全てが大腸がんやポリープに関連するわけではありませんが放置するリスクを避けるためにも必ず大腸内視鏡検査による精密検査を受けましょう。
便潜血陽性は、消化管の異常を早期に発見するための重要なサインです。陽性反応が出た場合、大腸がんやポリープの可能性を念頭に置き、速やかに精密検査を受けることが重要です。無症状でも油断せず、正確な診断を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。1年に1回の便潜血検査を習慣化し、健康を守りましょう。