• 2024年12月3日

大人に急増!マイコプラズマ肺炎の原因と感染経路とは?

マイコプラズマ感染症とは

マイコプラズマ感染症は、「非定型肺炎」として知られる感染症の一つで、通常の肺炎とは異なる特徴を持ちます。その原因菌であるマイコプラズマ・ニューモニエは、細胞壁を持たない特殊な細菌です。この特徴のため、細胞壁をターゲットとするペニシリン系抗菌薬が無効であり、正確な診断と治療の選択が必要です。
この感染症は、子どもや若年層に多いとされていましたが、近年では成人の間でも感染が広がっています。特に職場や学校、家庭内などの人が密接に接触する環境で感染しやすく、以下のような背景が影響しています。
感染予防対策の緩和:新型コロナウイルス対策で行われていた厳格な感染予防対策が緩和されたこと。
免疫力の低下:ストレス社会や不規則な生活習慣が免疫機能を弱めています。
感染症への認知不足:風邪と間違えられるケースが多く、適切な治療が遅れる場合があります。
症状が悪化すると肺炎や重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、正しい知識を持つことが重要です。

マイコプラズマ感染症の原因と感染経路

マイコプラズマ感染症は、主に飛沫感染によって広がります。感染者の咳やくしゃみで放出された飛沫を吸い込むことで感染が成立します。また、家庭内や職場、学校、公共交通機関などで接触が多い状況が感染リスクを高めています。

家庭内での感染

感染者がいる家庭では、以下のような状況で感染が拡大しやすくなります。
・感染者と同じタオルや食器を使用
・感染者が咳やくしゃみをしている場で換気が不十分
家庭内での感染を防ぐためには、マスクの着用、共有物の分離、定期的な手洗いが有効です。

職場や学校での集団感染

オフィスや学校の閉鎖空間では、感染が広がりやすくなります。特に以下の要因が影響します。
・会議や授業での密接な会話
・共用スペース(机やドアノブ)の利用
職場や学校では、感染が疑われる場合は速やかに報告し、必要に応じて出勤や登校を控えることが重要です。

公共交通機関での接触

満員電車やバスでは物理的距離が近く、飛沫感染のリスクが高まります。マスクの着用や混雑を避ける時間帯の利用が推奨されます。

マイコプラズマ肺炎の増加傾向と報告

日本国内では数年ごとにマイコプラズマ感染症の流行が報告されており、2024年冬には成人患者が増加傾向にあるとされています。この背景には以下の要因が考えられます。
マスク着用の変化:新型コロナウイルス流行時に比べてマスク着用率が低下し、呼吸器感染症全般の感染拡大が見られます。
都市部の人口密度の増加:都市部では人々が密接に接触する機会が多く、感染が広がりやすい環境が形成されています。
生活習慣の変化:現代社会ではストレスや睡眠不足、不規則な食生活など、免疫力を低下させる要因が多く見られます。
また、感染者データによれば、特に20代から40代の働き盛り世代で感染例が増えています。この世代は職場や公共交通機関での接触が多く、感染拡大の中心となるリスクがあります。

マイコプラズマ感染症の症状チェック

初期症状と風邪との違い

マイコプラズマ感染症の初期症状は風邪と似ていますが、以下の点が異なります。
・乾いた咳が1週間以上続く。
・微熱または高熱が続く。
・痰がほとんど出ない。
これらの症状は夜間に悪化しやすく、睡眠の妨げになることもあります。

重症化した場合の合併症

適切な治療が行われない場合、次のような合併症が起こる可能性があります。
・肺炎、気管支炎、中耳炎などの呼吸器系の炎症。
・心筋炎や脳炎といった稀な合併症。

咳や発熱が出たら受診のタイミング

以下の症状が見られる場合は早めに医療機関を受診してください。
・咳が1週間以上続き、夜間悪化する。
・高熱や強い倦怠感がある。
・呼吸が苦しい、または胸に痛みを感じる。

マイコプラズマ感染症の診断方法

検査の種類と流れ

医療機関で行われる主な検査は以下の通りです。
血液検査:炎症反応や抗体を確認。
喀痰検査:菌の有無を特定。
画像診断:レントゲンやCTで肺炎の有無を確認。

IgM抗体検査とは?

IgM抗体検査は感染初期段階を特定するための有効な手段です。抗体の上昇によりマイコプラズマ感染を確定できます。

確定診断のための医療機関受診

症状が風邪に似ているため、自己判断が難しい場合があります。早期治療のためには専門医の診断を受けることが大切です。神戸市でマイコプラズマの症状にお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

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